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atama plusらしい組織拡大。 Large-Scale Scrumへの挑戦。

写真左から河口、深澤、林田
河口 康平(かわぐち・こうへい)大阪府出身、京都大学でアカペラにのめり込み大学をゆっくり卒業。新卒でフォルシアに入社し、MRO業界、旅行業界のシステムの営業からプロジェクトマネージメントを担当。2018年3月に営業部長に昇進した後、偶然の出会いで2018年7月にatama plusにJOIN。カスタマーサクセスを経て、プロダクトオーナーを経験後、現在は専任のスクラムマスターとして横断的な組織課題に取り組む。
深澤 良介(ふかざわ・りょうすけ)検索エンジン群雄割拠だった学生時代に情報検索/自然言語処理への魅力を感じ、大学院のころからその道に踏み込む。情報推薦にも幅を広げながらヤフーでは各種検索サービス、ニュースフィード、ショッピングといったサービスの検索・推薦の改善に励む。その中でエンジニアリングマネージャーとしての経験も担う。働く中で、学力以外のちからを兼ね備えたひとの大きな可能性を感じてきたこと、より世の中に貢献できる道を模索していたことと atama plus が目指す未来に強いつながりを感じ、2019年10月から参画。
林田 智樹(はやしだ・ともき)早稲田大学表現工学科にてCG・VFX等の映像技術、画像処理、認知心理学やメディア論などをつまみ食い的に学ぶ。2015年にリクルートにUXデザイナーとして入社。就活生のエクスペリエンス向上に尽力。atama plusのプロダクトの持つ確かな価値と無限の可能性に魅力を感じて2017年10月にジョイン。夢は、子どもたちが「atama+ばっかりやってないでさっさと寝なさい!!」って怒られるくらい夢中で学習している未来を作ること。

開発組織のサイロ化を解消するための「スケーリングタスクフォース」

― atama plusでの「LeSS(Large-Scale Scrum)」導入の挑戦について聞きたいと思います。まずは、LeSSを検討し始めた背景から教えてください。

河口:LeSS導入検討以前、2020年1月時点の状況からお話しします。当時はatama+を開発するスクラムチームが3つありまして、1チームにつき1プロダクトオーナーという体制でした。

林田:各プロダクトオーナーは自分のチームの戦略を描いたり、課題を整理したものを、週1で持ち寄り、認識のすり合わせをしていました。ただ、チームの人数が増えるに従って、そのミーティング時間がどんどん長くなっていくんですよ。LeSS移行前の最後の方は毎回数時間。組織が拡大し続けることは決まっていて、このまま4チーム目ができたら、話し合いも複雑になってミーティング時間がさらに長引くことは目に見えていました。

深澤:それだと現実的に組織の拡大は厳しいですね。せっかく人数が増えたのに、全体としてなにをやるべきかの検討に無限に時間がかかってしまう。

林田:そうですね。会社全体で考えたら、プロダクトチームの人数が増えて価値を提供する速度が上がるはずが、実はそうなっていない。そんな「開発組織のサイロ化」が起こり始めていました。

― 具体的にどんな問題が起きていたのですか?

林田:例えばリソース配分の問題ですね。比較的余裕のあるチームと、緊急性の高いタスクを抱えたチームがあるのに、リソースが融通し合えない。全体で考えたら、より多くのメンバーが緊急性の高いタスクを対応すべきですよね。だけど、タスクがチームごとに局所最適化されていて、それができない環境でした。

― 他にも問題はありましたか?

河口:atama+には生徒や教室長などの複数のユーザーがいるんですが、それぞれのユーザー向けの機能は独立した存在ではなく、複雑に連携しています。当時の開発体制としては、開発チームが対象ユーザーごとに分かれていて、それぞれのチームごとにバックログを持っている状況でした。例えば、生徒向けの機能を開発しようとすると、教室長向けにも追加機能を開発する必要があるなどの依存関係が多くあり、チームが分かれていることでユーザーに価値が届くまでの速度が上がらないなどの問題が起きていました。

― 局所最適はなされているが、全体最適がなされていない状況だったのですね。

河口:課題を感じながらも抜本的解決をせずに、相互の信頼関係でなんとか乗り切っているうちに、更に開発メンバーが増えていきました。「4チーム目どうするよ」。このままだと、さらに局所最適が加速する状況でした。いよいよ本質的な解決策を考えなければと、2020年の3月に社内メンバー8人で「スケーリングタスクフォース」を発足させました。スクラムチームの各職種(UXデザイナー、エンジニア、QA、PO)からそれぞれ1〜2名が代表として参加しました。20時間ほど議論を重ねてLeSSの導入を決めた頃には、緊急事態宣言が発令されていましたね。


自分たちで考え、自分たちで導入を決めたLeSS

― タスクフォースでは、どんな話し合いがなされたのですか?

河口:「なぜ僕らはアジャイル開発してるんだっけ?」「これから組織が拡大するとどんなことが起きるんだっけ?」「僕らは何を実現したいんだっけ?」。キックオフとして、メンバー全員の課題意識やゴール設定を合わせるワークショップから始めました。

林田:開発チーム全体の人数規模が拡大する中でも、UXデザイナー・エンジニア・QAという職種の垣根をこえたスモールチームだからクイックに動けるスクラムの良さを残したまま、サイロ化を解消するためにはどうすればよいか。そんな議論からのスタートでした。

― なるほど。手法からではなく課題認識を合わせるところから議論を始めるのはatama plusらしいところですよね。どのように検討が進んでいったのでしょうか?

林田:課題認識がそろった後は、 スクラムのいい部分を残しながら、大規模に開発できる「LeSS」っていうのがあるらしい、ということに早い段階で行き着きましたね。LeSSについては社内に知見を持っている人がいなかったため、書籍を調べながら理解を深めていきました。さらに「LeSSを入れたとしたら、どんなことが起きるのか」について課題を洗い出し、1つずつ議論していきました。

― どんな課題が出てきたんですか?

林田:僕はプロダクトオーナーをしていることもあり、印象に残っているのは、チームとプロダクトオーナーの関係性についてですね。LeSSになるとそれまで各スクラムチームごとにプロダクトオーナーが1人いたのが、全体で1人になるんです。プロダクトオーナーに求められる仕事内容が同じだとすると「絶対に回らないじゃん」と思いましたね(笑)。これは、LeSSを今までのスクラムの延長として捉えていたものを全く新しいものとして捉えなおして、プロダクトオーナーとチームの役割分担を再定義することで乗り越えたのですが、現状に引きずられずに思い切って変化をすることの面白さを感じた経験ですね。

深澤:プロダクト組織がLeSSを導入する段階で気を付けたのは「誰かが決めたものが降りてくる」ものにしないということでしたね。だからこそ、議論が成立する範囲でできるだけ多くの人にタスクフォースに入ってもらえるようにしていました。そして、タスクフォースで結論を出した後も、LeSSを取り入れた背景や、何を実現したいのか、残っている課題は何か等、全員の認識を合わせられるまで意見を交わすようにしていました。


河口:僕は、それまで少人数で実施していたスクラムの各種セレモニー(プランニング、リファインメントなど)を大人数で実施することが想像できなかったですね。タスクフォースでも「どうやって大人数で合意形成するか」について心配する声が上がりましたね。個人的にはスクラムマスター

痛みを超えて、atama plusらしいLeSSが見えてきた

― LeSS導入後はどんな状況だったのでしょうか?

林田:正直、最初はうまくいかなかったですね。チームに任せるべき細かいところまで自分で決めすぎてしまったり、もしくは逆に丸投げのような状態になってしまったり。

河口:今でも明確な正解なんて分かりません。みんなで決めていることは、運用しながら改善していこう、ということです。クリティカルな部分の方針を全体で決めて、あとはチームで自律的に改善していくという方針にしています。LeSSで大事だなと感じていることは、全体のプロダクト戦略をみんなが正しく理解しているということですね。

林田:だからこそ、プロダクト戦略の言語化は丁寧にしています。プロダクト戦略の理解が揃っていれば、チームごとに自由度高く運営しても大きな課題が生まれず、良い工夫がたくさん出てきますね。このやり方は、各自が当事者意識をもって考え意思決定していく、というatama plusが創業当初からもっているカルチャーがあったから実現できている面もあるかもしれませんね。

― 難度の高い課題を前にして、atama plusらしいなと思われたポイントはありますか?

河口:それは明確にありますね。メンバー全員の目線がMissionそのものに向かっていることです。LeSSへの移行って、チームメンバーにとってやることが多くなるので、不満が出るのが当たり前かなって思うんです。でもatama plusのメンバーは、Mission実現に向けて必要なチャレンジだとみんなが理解して、全員が当事者としてどうやったらうまくいくかと考えているのが、atama plusらしいなって思います。

深澤:全員が「なぜ?」を考えられる部分がatama plusらしさだと思いますね。LeSSのチャレンジの背景や目的について深く理解しているから、うまくいかない時に「こういう改善をしよう」が出てくる。最初の打ち手が100点のことはないと思っているので、常に全員から改善案が上がってくる組織というのは強いなって思いますね。そして、それを上手く実現させる働きかけをしているのが、スクラムマスターの存在だと感じます。

林田:僕もスクラムマスターがうまくバランスをとってくれているというのは感じます。組織の「状態」を健全に保つことに集中しているのがスクラムマスターの役割ですね。各チームにスクラムマスターが存在するというのも、チームワークを重視する”atama plusらしさ”のひとつかなと思います。


LeSSの、その先へ。

― これからもLeSSの運用と改善は続いていくのでしょうか。

河口:おそらく2021年の10〜11月には開発チーム数も7〜8くらいまで拡大していくと思います。今のLeSSの限界が来る前に次の組織拡大に向けた議論を始めています。具体的には、LeSSに移行したチームを再度、分割する実験を行う予定です。その発想も、対象ユーザーである生徒・コーチ・教室長という切り方ではなくて、もっと別な軸を検討しています。
題して「スケーリングタスクフォース シーズン2」。すでに前に進んでいます。

深澤:これまでと逆で、ある部分に関しては敢えて個別最適化する。だからこそ、何を個別に最適化するかがポイントだと考えています。あとは、プロダクトサイドの構造、つまりはアーキテクチャや品質も分けることになるでしょうから、その分また痛みが出てくると覚悟はしています。

― それはまた、チャレンジングですね。

深澤:書籍には「大規模アジャイルでは技術プラクティスを入れて自動化しないと破綻する」と書かれています。そこは大いに参考にしながら、細かい部分も自分たちでカスタマイズしながら、考えていきます。

林田:会社として参考にするものは大いに参考にしましょう、という姿勢がありますので、まずは徹底的に世の中にある考え方を学んでいます。その上で、atama plusの現状を踏まえた形を模索し、実際にやってみて改善点を見つける。開発体制もアジャイルに作っていくことを大事にしていますので、新しい体制もいろいろ課題が出ると思いますが、楽しみながら進めていきたいと思います。

河口:現在はLeSSの、更にその先を検討しています。ここからは頼れる先行事例や方法論もほとんど無く、より自分たちで試行錯誤していく必要があります。開発体制は事業成長に合わせて変化し続けていくものだと思っていますが、atama plusは事業成長の速度が早く、大規模アジャイル開発体制をUpdateする経験を多く積めるので、個人の成長にとっても良い環境だなと思って楽しんでいます。

◆ atama plusについてもっと知りたい方はこちら! atama plusのすべてがわかる11のイベント

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